みなさん、こんにちは。
前回、屋外での2m超えのオリーブの鉢植えをしましたが、オリーブは盆栽のように小さく仕立ててお部屋に飾る事もできます。食事をしているとき、テレビを見ているとき、勉強の合間など、ふと視線に緑が入ると癒されますが、オリーブの花言葉は「平和」と「知恵」。そして、オリーブは葉が上を向いているので「陽の気」を持ち、また葉が鋭く尖っているので邪気を払ってくれるため、風水的にもとても縁起のよい植物です。
今回はそんなオリーブを挿し木で増やしていきます。
種苗法とは?
まず挿し木をするにあたり、種苗法を理解しないといけません。花や果実などの植物を病気に強いもの、あるいは鮮やかできれいなもの、おいしいものに品種改良しようとすると莫大な時間と費用がかかります。
そうして農家さんがやっとの思いで開発した品種をいち個人(あるいは別の営利者)が自分で増殖して販売して儲ける(副業を含め)ことを防ぐために、法律で厳しい罰則と共に農家(生産者)さんの権利を管理するものが種苗法です。
花や果実などの植物は個人利用のために増やすことはできても、原則、人に譲る事はできません。また品種によってPVP(育成者権)やパテント・ライセンス(特許権)なども存在し、苗の購入時には誓約書が必要であったり、違法した場合、罰金や懲役になることもありますので、きちんと理解した上で取り扱うようにしてください。
準備編
準備するものはそんなに多くありません。
- バケツ&水
- 剪定した枝
- 土(肥料が入っていないもの)
- セルトレー(1個ずつでもつながったものでもOKです)
オリーブは生育旺盛で1年で50cm程度は伸びます。品種によっては1年で1m以上伸びるモノもあります。樹形を整えたり、幹を太くする(オリーブは枝を切って分岐させればさせるほど根が伸び、幹が太くなります)ために剪定した枝を挿し木に使います。
①根本から生えてきた「ひこばえ」
②他の枝に絡む「絡み枝」
③幹に向かって下に生えた「逆さ枝」
④幹と同じ方向にまっすぐ生える「徒長枝」
⑤同じ方向に生える「並行枝」
⑥真下に向かって生えた「下り枝」
⑦内側に向かって生える「内向枝」
などなど。不要な枝を剪定したときに5~10cm程度に切って、下の葉を落とします。上の葉は写真では4枚ですが、蒸散を防ぐために2枚程度あるいは、葉を半分切ると良いでしょう。
剪定した枝は2~3時間程度、バケツに張った水につけておきます。これを水揚げと言います。
バケツ一杯の水に葉ごと入れてしまってもOKです。
写真を撮り忘れましたが、切り口は枝と水平ではなく、斜めに切ると水を吸う面積が大きくなるので、切り口は正円ではなく、楕円形(面積が大きくなる)にように切りましょう。
セルトレーの用意
水揚げしているうちにセルトレーに用土の準備をします。
植え付け
水揚げでしっかり水を吸わせた枝を用土に挿していきます。
気持ち的には1番奥までしっかり挿したいところですが、先端から根を生やさないといけないので、用土の真ん中ぐらいに先端がくるように挿します。
そのため、強風で転倒を防ぐために写真のように用土の中央ではなく、容器の側面に近い位置で挿しています。
この後は直射日光を避けた日なたに置くという人もいれば、オリーブは日光が大好きなので直射日光に充てて管理するという人もいますが、用土が少量なので乾きやすいので、水やりは欠かさないように管理してください。
この状態でも枝が健康であれば、先端から根っこが生え、幹からも新芽が生えていきます。ただし、今の状態は枝にダメージがありますので、栄養を与えたくなりますが、根詰まりといって栄養を吸い上げることで管が詰まってしまいますので、栄養は与えないようにしてください。
葉が茶色くなって落ちたり、枝がひょろひょろになると枯れてしまった可能性が高いですが、定期的に引き抜いてみて根っこが順調に育っていれば、大きめの鉢に移してあげてください。それを鉢上げや鉢増しと呼びます。そこからは通常とおり肥料を与えて伸びてきた枝を剪定しながら根っこを増やし幹を太くし、自分好みの樹形に育てていきます。