破天荒フェニックス~オンデーズ再生物語~

ビジネス書/自伝本を語るとき必ずオススメに上がるのがメガネチェーンのオンデーズ社長、田中修治氏の破天荒フェニックス。

「絶対に倒産する」と言われたメガネチェーン店を買収し、軌道に乗せるいわゆるシンデレラストーリーです。

フィル・ナイト著「SHOE DOG」、ビル・ギルティ著「NEVER LOST AGAIN」のように年を追って買収からの資金繰り、雑貨チェーンの買収、社員の裏切り、新店オープン、大震災、海外進出などなどを社長の田中氏の目線で送るノンフィクション小説。海外のノンフィクション小説はどうしても間に「翻訳」が入る事と文化の違いによる文章構成などから読み進めていくと急に場面が変わったり、段落が会話で終わったりするので「あれ?今のオチは?」「この続きは?」のようなことがあったりしますが、こちらは当然、日本人が日本人向けに書いていますので、「ビジネス」という枠にとらわれず普通におもしろい小説を読んでいるようにすらすらと読み進められます。

2021年現在、日本だけでなくシンガポールなどの東南アジア諸国、オーストラリアなど12ヶ国400店舗以上でチェーン展開しており、物語の途中では色でいえば「暗闇」と言えるような裏切りや資金難に直面しますが、世界的なメガネチェーンという結果を知っているので、どこでどう転機が訪れたのか、タイトルにある「破天荒」はどこで発揮されるのか、ページをめくる手が止まりません。

その後の人気から2018年9月の単行本出版から2019年11月の文庫化、2020年1月には俳優の勝地涼さんが主演で新春3夜連続ドラマ化、2020年7月にはコミックス化、2022年6月には舞台化もされている超人気作になりました。

オンデーズのメガネを使ったことがある人も、はたまたメガネは不要な方でも楽しめる一作です。

タイトル「破天荒フェニックス」

著「田中修治」

出版「幻冬舎」

価格1,600円+税

幻冬舎のページ

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