【上級編】育てた観葉植物を増やしてみよう!

みなさん、こんにちは。前回、コロナ禍で何かと自宅で過ごすことが多くなったなか癒しの「観葉植物」を特集しました。6月からは暖かくなり植物がぐんぐん育つ時期ですので、育てた観葉植物をより良くする方法、そして上級編として増やす方法を特集します。

剪定する理由

剪定(せんてい)は、成長して生い茂った葉や枝を切って整える事を言います。

  • 剪定によって下の葉や後ろの葉にも日光が当たりやすくなり光合成が活発になること
  • 葉や花が生い茂り栄養が分散されることを防ぐこと
  • 樹形を整えて格好よくすること
  • 剪定によって密集した枝や葉がなくなり、風通しがよくなること
  • 虫の発生を防ぐこと

などなど、いろいろな効果があるため、元気な観葉植物を育てるのは必要になります。

前回ハイドロカルチャー(水耕栽培)に植え替えたねじりパキラです。成長期に植え付けぐんぐん育ち綺麗な葉を広げてくれました。土が無くても上手に管理すれば大きくて綺麗な葉をつけることができます。

剪定時期

剪定は一年中いつでも良いというわけではありません。観葉植物も生き物ですので、暑い、寒いもありますし、ストレスも感じます。また冬には冬眠状態になりますので、そんなときハサミで葉や枝を切れば多大なダメージを負い枯れてしまう事もあります。

ですので、剪定は観葉植物がぐんぐん育つ5~9月を目途に行いましょう。ただし、植物によっては成長期が異なる場合がありますので、調べてから行ってください。

5~9月の剪定であれば、生命力の強いパキラやガジュマルは次々と新芽が出てきますので、切る箇所はそんなに気を遣わなくても大丈夫です。ただし、成長点と呼ばれる節には注意してください。

成長点とは?

成長点はそこから枝が生えてくる場所を言います。成長点以外からは枝は生えてきませんので、成長点より下を切ってしまうとそれ以上観葉植物が大きくなりません。成長点は赤丸のように分かりやすいので注意してください。ただし、あまりに枝が付いてしまい一本一本が弱弱しい場合は思い切って成長点を絶って一本をたくましく育てるのもアリです。

またこの後に続くように観葉植物を「増やす」のであれば、葉っぱ側の枝に成長点がないと育ちませんのでご注意ください。

挿し木とは?

一本を綺麗に育てるのも楽しいのですが、観葉植物を育てているともう少し増やしたいという欲が出てきます。もちろん、花屋・園芸屋さんやホームセンターで買ってきても良いのですが、もうワンラックアップして「挿し木」という方法で観葉植物上級者を目指してみましょう!

※似た言葉で切った枝を別の株に挿して育てる「接ぎ木」という方法もありますので、ご注意ください。

挿し木とは、枝の1部を切り取り、発根させて増やす方法を言います。素人では種から増やすのは難しいため、今ある枝を株に変えてしまう手法になります。さきほどの剪定のときに葉っぱ側に成長点を残して切り、茎を斜めにカットします。斜めにカットする理由は水分の吸収をより多くできるよう面積を増やすためです。

今回は「発根のいち例」のため、成長点のない枝を使います。このままでは発根しても枝が伸びることはありませんので、みなさんが挿し木をするときは必ず成長点のある枝で発根させるようにしてください。

↑写真を取り忘れてしまったので素材サイトPhotoACを利用しました(汗)

斜めにカットした枝はコップやビーカーにそのまま挿しておいてください。水は放置すると汚れますので、真夏なら毎日、それ以外は2~3日に1度程度入れ替えてあげてください。

数日後、切り口に「カルス」と呼ばれる白いつぶつぶが現れました。
さらに数日後、カルスが切り口全体を覆い始めました。このカルスが成長して根っこになります。

←2~3週間ほど水を入れ替えて待つとこんな感じで切り口から根っこが生えてきます。

上の写真はパキラ、左の写真はクロトンの発根の様子です。ここまで来たら土から養分を吸いあげてぐんぐん育ててあげる準備が整った証拠です。根っこがない状態でいきなり土に植えると養分がうまく吸い上げられず根腐れしてしまう事がありますので水だけで十分に発根させてあげてください。

ギリギリ手の上に葉っぱが写っているのでお気づきかもしれませんが、パキラは葉っぱを半分に切っています。パキラは葉っぱ1枚1枚が大きいのと成長が早いので根から吸い上げた水を葉っぱがどんどん蒸散していきます。蒸散作用を抑えるために葉を半分切るのが上手に発根させるコツです。中には発根促進剤などを使う人もいるようです。

基本はきれいな水に入れて替るだけで発根を待つだけですが、一点注意が必要なのは、日光に当たらない日陰で行うことです。選定した枝は弱っていますので日陰でゆっくり発根を待ちましょう。

いよいよ土植え

カルスから発根したらいよいよ土に植えて一気に成長させます。

容器から土が流れるのを防ぐのと、下から虫が入ってくるのを防ぐ網。Gなどが入ってこないように絶対に準備しましょう。
底石。水をあげたときに土が流れ出さないように網と土の間に小石を敷きます。大きさは適当で大丈夫です。100円均一にも売っています。
用土は水はけが良く、雑菌の少ないものが適しています。こちらも100円均一で売っています。
ヨーグルトの容器が良いと思います。

挿し木

ヨーグルトの容器の底に水が抜けるよう少し穴をあけて網、小石の準備に底に敷きます。
その上に用土を入れていきます。こぼしてしまい汚い写真になりすみません(汗)
土の準備が整ったら発根した根が折れないように設置して覆いかぶさるように上から優しく土をかけてあげてください。

←挿し木の「いち例」としてパキラとクロトンを使ってみました。

土の養分をぐんぐん吸って大きく成長してくれることを祈って、水やりをしましょう。

水やりのタイミングは、土が乾いて来たら湿る程度にかけてあげてください。土が乾く前に水をあげると土の中で根っこが腐り、次第に葉っぱが枯れていきます。

ヨーグルトの容器の底にしっかり穴が空いていれば余分な水分は抜けてくれるので土がうまく湿る程度になると思います。

今まで水耕栽培だった株をいきなり土に植え替えると植物もびっくりしますので、2週間程度は日陰で育てるようにしてください。

無限パキラ、無限モンステラという方法も

この方法に慣れてくると生命力の強いパキラやモンステラなどの観葉植物は初心者でも比較的簡単に株を増やすことができます。樹形を整えて今の観葉植物を綺麗に育てつつ、新たな観葉植物を産む方法として、成長の激しいいまの時期がおすすめですので、ぜひ挑戦してみてください。

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