コロナ禍は観葉植物で癒されよう!

みなさん、こんにちは。新型コロナウイルス感染防止で外出に規制や自粛がかかるなか、何かと自宅で過ごすことが多くなったこの頃、ご自宅でいかがお過ごしでしょうか?

中には旅行など外出が好きで家でじっとしているのがストレスになっている方もいらっしゃるかもしれません。家でテレビを見ているとき、本を読んでいるとき、ご飯を食べているとき、ゴロゴロしているときに「緑=観葉植物」が目に入ると癒されます。ということで、今回は観葉植物特集です。

ただ観葉植物を家の中に入れると

  • 家に土を入れたくない
  • 土に紛れ込んだ虫が家の中に入ってしまう
  • キッチンに置くと食事に泥や土、虫が入らないか心配
  • 葉にハダニやカイガラムシなど寄生虫がつく
  • カビや藻が生えて汚い
  • 枯れたり、根腐れして嫌だ

といった衛生面を気にされる方も多いと思います。

そこで今回は、衛生面に優れたハイドロカルチャーという育成方法を取り上げます。ハイドロは「水」、カルチャーは「栽培」を意味しますので、直訳すれば「水栽培」になり、土を使わずに栽培する方法になります。

準備するもの

穴の開いてない容器
根腐れ防止剤
ゼオライトなどの園芸培地
裏面
ゼオライト
培養液

ハイドロカルチャーは容器に水を貯めて栽培しますので、一般的な鉢植えのように水はけのための穴の空いたものではなく、ガラス容器など穴の空いてないものを用意してください。初めての時は水の分量が見えるように透明のガラスが良いと思います。容器も癒しのひとつですので、ホームセンターや100円均一などで素敵なものを探してください。

そのほかには土の代わりとなる培地、根腐れ防止剤、培養液が必要になります。

培地(人口土)には、ネオコールと呼ばれる木炭を利用したもの、カラーサンドと呼ばれる鉱石やガラスの粒を利用したもの、ゼリーボールと呼ばれるポリマーを利用したもの、セラミック、粘土を高温処理したもの、スポンジなどいろいろな種類や色がありますので、お好きなものをお使いください。写真は天然のゼオライトになりますが、そのほかにも水の渇き具合が一目で分かるチャコボールなども使っていきたいと思います。

根腐れ防止剤は、基本的に上記のゼオライトを準備すれば代用できますが、ハイドロカルチャーは水だけで衛生的とはいえ、水も放置すれば腐ったり、日光が当たれば藻が生えたり、植物に与えすぎて根が腐ってしまう可能性もあります。そこで根腐れ防止剤を準備すると良いでしょう。今回は、スーパーミリオンAを準備しました。

続いて培養液、つまり植物の栄養分です。普通、植物は土に含まれる様々な養分や虫などが分解する養分を根で吸い上げて成長しますが、ハイドロカルチャーは「水」だけで育てますので、成長期(春~秋)には養分を与えてあげる必要があります。

すべてホームセンターや100円均一でそろいますので、ぜひ揃えてみてください。

苗の準備

少し難しい話になりますが、植物の根は通常、土から養分を吸うようにできています。ハイドロカルチャーはその土を使わないので、根から養分が吸えません。ではなぜ育成できるか?というと、根っこが水から養分を吸収できるような品種改良(といっても慣れれば簡単)がされているからです。

ですので、ホームセンターで樹形が気に入ったからと土植えの苗を買ってきてハイドロカルチャーにすると根詰まりや根腐れをして枯らしてしまい「観葉植物って難しい」ってことになっちゃいます。慣れれば剪定した枝や茎から水耕栽培で増殖させたりすることも簡単ですが、最初のうちは水耕栽培用の苗を購入するようにしましょう。ホームセンターでは「オアシス苗」などのようにスポンジや粘土質で根が覆われた状態で売られています。

ガジュマル 土植え
サンセベリア オアシス苗
クロトン オアシス苗
シェフレラ コンパクタクィーン
シンゴニウム
シンゴニウム 鉢から出した状態
ヒメモンステラ
ヒメモンステラ 鉢から出した状態
編み込みパキラ
編み込みパキラ 鉢から出した状態
ミリオンバンブー、ナギ、ガジュマル
パキラ朴タイプ などなどいろいろ

植え込み準備

苗を植えこむ前に、ガラス容器に根腐れ防止剤(スーパーミリオンA)を底が見えなくなるぐらい敷き詰めます。そんなにたくさん入れる必要はありません。その上にチャコボールやゼオライトなどの培地を入れていきます。根っこが常に水につかる状況だと根腐れを起こしやすくなるので、ガラス容器の3分の1程度敷き詰めればOKです。植物の大きさや、培地からの見栄え(上の写真のミリオンバンブーだと白と緑の境目)を見ながら調整してみてください。根は水を求めて伸びていきますし、ゼオライトやチャコボールはある程度吸水力がありますので、水に浸からない位置に根がきても大丈夫です。

根腐れ防止剤の分量
チャコボール
ゼオライト

植え込み

植え込みの様子

ガラス容器の中央に苗が来るように手で持ちながら少しずつゼオライトを敷き詰めていきます。

このとき根っこが見えてしまうとカッコ悪くなりますので、爪楊枝などでチョンチョンしながら隙間がなくなるように敷き詰めると見栄えも良くなります。

爪楊枝でチョンチョンしすぎて根を切ったり傷つけると枯れる原因になりますので注意してください。

後で根が成長するとガラス容器に根がびっしり、なんてこともありますが、気になるようでしたら同じ要領でいったん取り出して植え直してください。

完成

ガジュマル ゼオライトの白
ガジュマル ゼオライトのオレンジ
コーヒーの木
シェフレラ コンパクタクィーン 猫が気にしてます(笑)
シンゴニウム
ナギ
パキラ 朴タイプ
ヒメモンステラ
フィカス プミラ
編み込みパキラ 猫が匂いを嗅ぎにきました(笑)
ミリオンバンブー
サンセベリア バキュラリス 容器を変えてみました

植え込みが完成したら水やりです。ゼオライトやチャコボールは吸水性にすぐれますので、石ひとつひとつが水を吸うようにゆっくりと満遍なく回しながら水をあげてください。決して水道の蛇口から直接入れないようにしてください。

ハイドロカルチャー(水耕栽培)の最大の注意点は「水のやりすぎ」です。穴が空いてないので水はけしないため簡単に根詰まりや根腐れを起こして枯れてしまいます。1回の水やりは容器の3分の1程度(底から1.5~2cm程度で十分)で、カラカラになってから再度同じように水を与えてください。パキラやガジュマルなど強い植物は2~3日カラカラになってもびくともしません。むしろ水をあげすぎて冷える方がダメージを負いますので、注意してください。

その後の管理方法

ハイドロカルチャーの培地は高温処理をして抗菌・滅菌されているとはいえ、絶対に虫が付かないというわけではありません。葉の裏につくハダニは、0.5mm程度の大きさで、網戸を簡単にすり抜けて普通に部屋に侵入して、葉の裏に寄生します。糸をゆらゆら伸ばして近づきますので幹や枝にクモの巣のようなものが張っている場合は、要注意です。ただハダニは水に非常に弱いので、葉水(はみず)といって霧吹きのようなもので定期的に葉っぱにも水を与えることで防ぐことができますので、水やりのときにたっぷりと葉にも「霧吹きで」与えてやってください。

そしてサンセベリアやヒメモンステラのように日陰でも育つ植物もありますが、基本植物は日光で光合成を行いますので、朝仕事に出かける前には遮光用のカーテンを開けて薄いレースのカーテンにしたり、お休みの日は少し日に当てたり、風通しのよい窓際に移動させたりしましょう。

続いて養分ですが、さきほど書いたように特に土栽培からハイドロカルチャーに切り替えたときや、ホームセンターから買ってきた直後など根が新しい培地に慣れてないときは、濃い養分を吸いあげることで根の血管が詰まり、腐る可能性があります。根っこが培地と水栽培になれるまで2週間程度してから、ハイドロカルチャー用の栄養分を普通の水やりの代わりに与えるようにしてください。頻度は5月~9月ぐらいの成長期にぐんぐん育てたいときは2週間~1か月に1度、卓上で育てたくない場合は1~2ヶ月に1度程度(葉や根の様子を見ながら)にして、冬場は植物も冬眠状態になりますので与えないようにしてください。

剪定

パキラやクロトン、ガジュマルなどは、うまくやれば春から夏にかけて生長点からどんどん枝や茎が生えて葉が生えます。その時、葉が密集することで影が生まれ光合成ができなかったり、栄養が分散されて枯れたりすることがあるので、樹形のカッコいい元の葉を残すか、新芽を活かすために古い枝や葉を切る必要が出てきます。切り方には成長点を見極める必要がありますので、また春先になったらアップしたいと思います。

切った枝は、処理の仕方次第では再度そこから根を生やし、木質化(緑の枝や茎が木のようになること)して、再度苗として成長させることができます。無限パキラ、無限モンステラと呼ばれ、そこまで行くと植物をペットのように可愛がることができます。

コロナで何かとストレスが溜まる毎日、せめて家でのリラックスに緑を取り入れてみましょう!

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